【保存版・随時更新】投資検討の基本プロセスとチェックするべきポイント

ここでは、海外投資を検討する際の基本的な流れ、そのプロセスを解説していきます。基本的なアプローチですので、必ずしも全てのケースに当てはまるわけではありませんが、進めていく上でのマイルストーンとして位置付けておくと良いでしょう。

なお、本内容に関しては、その内容の正確性、確実性、妥当性及び公正性を保証するものではありません。また、予告なしに内容が変更又は削除される場合がありますので、予めご了承ください。

1. 事前準備

具体的な投資機会を検討していく前に、事前準備として、まずは何にどのように投資したいのか、するべきなのかをある程度の幅で決めることが大切です。そうしておかないと、表面上のリターンだけに注目してしまったり、本来の投資目的を見失うことにもなりかねません。また、投資計画を練っておくと、必要な資金、リソースをどのように調達していかなければならないか、ということの頭の整理にもなります。事前準備がしっかりできていると、投資機会の選別も、結果的に効率的に進めることができるでしょう。

1-1. 投資方針の検討と決定

1-1-1. 投資の主な目的

投資を行う主な目的はそもそも何でしょうか。それはシンプルに利益追及の場合もありますし、事業法人の場合、既存事業とのシナジーも含めて投資を検討することもあるでしょう。マーケット調査やノウハウ習得を主眼とした少額投資も考えられるかもしれません。いずれにしても、達成したい目的をはっきりさせておくことが肝要です。投資の目的がブレてしまうと、意思決定の軸が崩れてしまうでしょう。

1-1-2. 投資クライテリア

投資クライテリアとは簡単に言うと、投資対象の選定基準です。例えば、対象国はどこで、投資対象資産は何で、リターンは年率何パーセント以上か、等です。投資機会をふるいにかける時に、常に参照することになるので、できる限り具体的な基準にすることが望ましいでしょう。ただし、あまり厳しい基準にしてしまうとそれに合致する投資機会を見つけること自体が難しくなりますし、逆に緩い基準になると本来の目的とかけ離れた投資機会を拾い上げてしまうことにもなりかねません。各基準の優先順位をあらかじめ決めておくのも有効と言えます。

1-1-3. 投資予算とリスク許容度

投資予算が先に決まっている場合もありますし、投資クライテリアに基づいて投資予算を決めていく場合もあります。投資クライテリアで決めた一件あたりの投資金額に対して、全体の投資予算が小さすぎると優良な投資機会を見つけづらくなったり、ポートフォリオを組めず、偏ったリスクを取ることにもなりかねません。また、万が一の場合、どこまでの金額について損失リスクを許容できるか、どこまでの塩漬けになってしまう期間のリスクを許容できるか、を決めておくことで、投資前後の場当たり的な意思決定を防ぐことができるでしょう。

1-2. 投資計画の策定

1-2-1. 短期・中期・長期の計画

企業経営と同様ですが、投資計画においても短期、中期(かつ・ないし長期)の時間軸で、達成すべき目標やマイルストーンを決めておき、スケジュールに応じた進捗確認をできるようにしておくことが重要となります。ここでは、細部にこだわり過ぎる必要はありませんが、投資予算に合わせた現実的な計画を立てておくこと、後々に検証可能なマイルストーンを設定しておくとが大切です。

1-2-2. 投入可能なリソース

せっかく投資予算が潤沢にあっても、人材を含めたその他のリソースが十分でなければ、後段で触れる情報収集や、投資の検討・実行・管理のプロセスにおいて多大な支障が発生し、投資の目的を達成することが難しくなるでしょう。特に、投資期間中に、その企業・資産価値を上げるために相応の労力が必要な場合、一定以上の知見を持つ人が必要な場合等には、注意が必要です。部分部分をアウトソースをしながら必要な業務を補完していくことはできますが、全体を統合、最適化しながら、投資のパフォーマンスを上げていくことは容易なことではありません。

1-2-3. 外部資金調達の選択肢

もし全額自己資金での投資を想定しているのであれば、資金調達の点はあまり問題にならないかもしれませんが、大抵の場合、金融機関からの資金調達や、パートナー企業からの共同出資等を想定していることでしょう。他者を巻き込む場合、足並みを揃えるために、彼らの検討時間等も考慮しなければなりません。例えば、経済的リターンを上げるために金融機関から借入れを行い、レバレッジをかけたい場合、どの金融機関が前向きで、どれくらいの審査期間がかかり、いくらまでなら資金供与してくれるか、等を事前に把握しておく必要があるでしょう。魅力的な投資機会に出会っても、十分な資金調達ができなければ、その機会が目の前を通り過ぎてしまいます。

2. 基礎情報の収集

既に投資実行した経験のあるマーケットやアセットクラスであれば、一定数の情報、ネットワーク、メリットデメリットが分かっていることも多いでしょう。一方で、新規マーケットや異なるアセットクラスへの投資を考えている場合は、特に事前準備としての基本情報の収集が大切になります。基本情報収集をおろそかにして、一般的な評判に影響されたり、思い込みで検討を進めていくと、デューデリジェンスの過程で落とし穴に気付く等、結果的に遠回りになる場合も往々にしてあります。慎重になりすぎて、情報収集の段階で足踏みしてしまうのも問題ですが、基本情報収集を確りしてこそ、投資の成功が見えてくるでしょう。

また、情報の質にも注目したいところです。例えば、国際機関、公的組織、金融機関や大手のコンサルティング会社、弁護士事務所、会計事務所等からの情報であれば、余程古くない限り、信用できるでしょう。他方、インターネット上には多くの投資に関連する情報が氾濫していて、中には間違った情報、時代遅れの情報、粗い・薄い情報である場合も少なくありません。

2-1. 公開情報の検索

2-1-1. 政府系機関等のウェブサイト、レポート

マクロの情報から集める場合、まずその情報の信頼性を知っておく必要があります。誤った統計や、根拠の薄い情報、数値に左右されないように、情報ソースを確かめましょう。特に、一方的な視点から作成されたレポートや記事もあるので、それを認識した上で、どのように解釈していくかも考えなくてはなりません。海外投資の場合は、まず参考になるのがジェトロ(日本貿易振興機構)の情報でしょう。それ以外にも国際機関が出している統計情報等は有用なものが多いと言えます。各種レポート等については、必ず複数のものを見比べて、その情報の鮮度、正確性、視点を確認するのが良いでしょう。

2-1-2. 専門書等の書籍

書籍は必ずしも小難しいものを選ぶ必要はありませんし、その時の流行に乗って書かれた書籍である必要もないでしょう。投資の本質や、各国の基礎的な情報はその時代に左右されないものがほとんどです。そのため、シンプルで理解しやすいものや、著名な大学の教科書や参考書にもなるようなベーシックなものがおすすめです。その上で、最近のトレンドを掴むために業界紙などをチェックするのが良いでしょう。

2-1-3. SNSのネットワーク

2-2. 個別情報の取得

2-2-1. セミナー・イベントへの参加

有料のものもありますが、無料で開催しているセミナーやイベントも沢山あります。情報の質は様々ですので、まずは開催者や参加者に注目して選ぶと良いでしょう。特に初期段階において、幅広く情報収集するには有効な手段です。同様のトピックのセミナーやイベントに複数参加すると、共通している基礎的な情報への理解が深まると共に、偏った情報があるかどうかの区別もできるようになります。投資を募るセミナーやイベントだけでなく、経済や法律、会計が主題となる金融機関、コンサルティング会社、法律事務所、会計事務所等が開催するものも参考になるでしょう。最近ではオンラインで気軽に参加できるものも増えてきています。

2-2-2. 専門家へのヒヤリング、調査依頼

2-2-3. 同業者へのヒヤリング

2-2-4. オンラインレポート等の購入

3. 投資計画の妥当性検証

3-1. 投資クライテリアと潜在的な投資機会

3-2. 投資機会の需要と供給

3-3. 競争優位性

3-4. 各種リソース

3-5. マーケットサイクル

4. 投資機会の探索

4-1. 探索(ソーシング)方法

4-2. 依頼条件と留意点

5. 投資機会の検討

6. 投資の意思決定

7. 投資の実行

8. 投資実行後の管理


海外投資の悩みを早く解決したい

具体的な個別相談をしたい