専門家が語る、なんとなく待つことは機会損失でしかない理由

マクロ環境を考慮すると、なんとなく海外投資をするタイミングでないと思うから、先送りする。良い投資機会の話がきたらはじめてみようと思う。今は準備がまだ整っていないから、調査とフィージビリティスタディ等の準備ができたらやってみたい。

ありがちなパターンではありますが、時機を待っていても具体的なアクションを取らない限り、時間が経過するだけで何も起こらないでしょう。

実際に投資することを前提に、情報収集をしていなければ、良い投資機会の話が自動的に入ってくることはあり得ません。逆の立場を考えれば明快です。本気に見えない相手、準備ができていない相手に積極的にアプローチする理由がないからです。

海外投資に真剣に取り組むためには、具体的な準備とそのプロセスを少しずつでも、ひとつひとつ進めるしかありません。余程完成された状態の投資機会、ないし汎用的な投資機会が手元にない限り、通常、クロージングまで数週間から数カ月を要するでしょう。しかも、一回準備をしておけば、すぐに垂直立上げができるわけではありません。継続的な関与、努力があってこそ、魅力的な投資機会に巡り合え、それを実行できるのです。

動き続ける市場環境

世界経済、投資の市場は常に動き続けています。総論で見れば、地合いの悪い時、地合いの悪い時がありますが、各論で個別に見ていくと総論としての地合いが悪くても、大成功している投資機会はあるものです。これは、事業・資産向けの海外投資においても同様のことが言えます。伸びているものは、マクロ環境が悪くても成功していますし、失敗するものはいつの時代も失敗します。

つまり、チャンスは常に存在するということです。本気で海外投資を検討しているのであれば、地合いを言い訳に先送りするのは、時間を無駄にすることで機会損失を生み出していると同じです。

ヒト・モノ・カネ・情報のリソースが不足していて、すぐに始められないということもあるかもしれませんが、カネ以外の部分はある意味カネで解決できます。カネがネックであれば、投資金額を下方調整することで問題が解決するかもしれません。

貴重な時間

投資において、時間は極めて重要な要素です。

なぜなら、資金を増やすスピードに直結するからです。複利効果も加味すれば、なおさらのことです。投資を始めずに、資金を横に置いておいても、金額自体が自然に増えることはありません。デフレで実質的な購買力が上がる可能性や、投資によって損失を被る可能性は否定できませんが、中長期的には何もしないことのリスクの方が高いと考えるべきでしょう。

投資リターンのみならず、経験やスキルを積むという意味においても時間は大切です。何事も一朝一夕には身に付きません。成功と失敗を繰り返し、その反復から学ぶことが多いことを考えると、早くはじめることがプロフェショナルへの早道と言えるでしょう。

戦略的な待機

戦略的な待機になりがちなのは、取引相場の上昇トレンドが長い間継続している場合、為替相場が過去のトレンドと比べて悪く見える場合などが考えられます。ここまで相場が下がったら、と実行するタイミングの線引きをしたくなりますが、待つ時間の期待リターンも加味するべきでしょう。

将来の不確定要素に思い悩むよりは、合理的に検証し、時には割り切って判断することも必要です。変数が増えれば増えるほど、不確実性とそのパターンが増えますし、自分の思い通りの前提条件全てが出現する確率は下がるに違いありません。


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