専門家が語る、去るもの追わず、来るものを選別する合理的な理由

経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)が無限大にあれば、あらゆるビジネス機会を検討することができますし、来るものを選別する必然性はないでしょう。ただ、そのような経営資源が豊富な企業、個人はごく一握りです。それらのリソースが何らか不足している方が普通です。

海外投資において、片っ端から手をつけて、その範囲を広げていくとすぐに収拾がつかなくなるでしょう。相応の知識と経験がなければ、些細なことでも調べることだけで、相当な労力になってしまいます。オンラインで検索しても、すぐに答えがわからないことだらけなのです。いかに効率的に物事を進めて、短期的、中長期的にビジネスにならない部分を諦めていくかが重要となります。

優位な条件交渉

ビジネスである限りにおいては、必ずと言っていいほど条件交渉が発生します。それを優位に進めるため、双方が納得する条件に落ち着けるためには、相手の状況を推し量る必要があります。どちらかが一方的な要求をしているような状態では、上手く合意形成をすることは難しいからです。

一方的に無理な条件を押し付けられた場合、それに取り合っていると自らをどんどん不利な状況に追いやってしまいます。条件の安売りを考えるより、その価値の高さ、公正さをどう理解してもらうかという点に着目しなければなりません。交渉した末に、どうも条件が合わなそうだ、という状況になったら、その取引に固執しすぎる必要はないのです。それで相手が去るのであれば、それを追わずにまた次を探せば良いわけです。

本質的な条件が合わずにビジネスをしていると、その歪みから、いつか問題が顕在化します。そのような要らぬ問題を双方ともに発生させないためにも、最初から条件を譲歩し過ぎず、選別することが双方にとって大切なのです。

ミスマッチの防止

取引条件だけに限らず、定性的な面でのミスマッチ防止も同様に大事な要素と考えられます。人と人とのやりとりが発生し、それが複雑になればなるほど、人間関係の相性がビジネスに関係してきます。単発取引や短期的な取引ならまだしも、中長期的な取引が想定される場合は、いくら取引条件が合致したとしても、感情的に相容れなければ、ビジネスとしてはあまり上手く行かないでしょう。

ビジネスのためにある程度の我慢が必要な局面はあるものの、ミスマッチが薄々わかりながら、我慢して取引をする義務はないのです。ビジネス上の価値観を共有できる相手と付き合う方が、結果を最大化することにつながりますし、何より精神的に心地が良いものです。

時間とリソースの効率

最終的に形にならないビジネスや取引に、多大な時間と労力をかけても、非効率です。もちろん、時間と労力をかける過程で学べることがあるかもしれませんが、結果が出なければ、持続可能な活動にはなりません。どこかで息切れして終わってしまうと、それまでの努力が水の泡となってしまうのです。

限られたリソースで、結果を最大化するためには、投入するリソースと期待される結果、その結果が現れる時間軸のバランスを取りながら、取捨選択をせざるを得ません。非効率なものをいつまでも追いかけることが、合理的ではないのは明らかでしょう。


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