専門家が語る、将来に向けて海外投資をしないと不安になる理由

まず、はっきりさせておく必要があるのは、海外投資が良くて、国内投資が悪いということではありません。また、海外投資を無理やり勧めるわけでもありません。

単純に、国内投資だけに偏っていると、将来的な外部環境の変化を踏まえると、それはそれでリスクがあるということを知っておくべきなのです。実際に投資するか否かは、基本的には選好の問題ではあるものの、選択肢として持ち合わせているかどうかで、視野の広さが変わることは間違いありません。

国内と海外のリスクバランスをどう取るかで、投資全体のポートフォリオが変わってきます。個人レベルの投資でさえも、海外投資のリスクと期待リターンを知った上で、海外投資(直接投資)にも投資資金を振り向けるかどうかを検討する時代が、到来しているのです。

日本経済の将来

耳にタコができる話かもしれませんが、日本の経済規模が将来に向かって爆発的に拡大することは現実的ではないでしょう。最も予測可能な統計データの一つとしての人口推計に基づくと、抜本的な変革がない限り、減少していくことは明らかです。

人口が減っても、生産性が劇的に改善すれば、経済規模をキープできる可能性がありますが、直近十数年で見ても、国際比較で優位な改善があるかというと、そうは言えないでしょう。

つまり、全体としての経済成長が鈍いと言わざるを得ない状況で、そこに投資としての資金投下を継続的にしていくことが、本当に効果的なのかを考える必要があります。もちろん、国内の成長分野においては、魅力的な投資機会もあるでしょうし、それは紛れもない事実ではあります。

一方で、ダブついたお金が一定の場所に集中すると、リスクと期待リターンのバランスが崩れることもあるのです。投資家にとって不利な条件になっていくならば、必然的に外の世界(需給のバランスが取れた海外の投資機会)も見ていくことが、合理的と言えるでしょう。

海外ビジネスの世界で生きていく力

井の中の蛙でいると、既存の居場所での熾烈な競争環境に晒され、厳しい立場に追いやられてしまう危険性が高まります。また、視野が狭くなって、自らの本来の価値に気付きにくくなります。

海外投資との接点があると、否応にも世界的な視点に立って物事を考えなければなりません(嫌でも考える癖がつくでしょう)。世界経済、政治が日々動いていく中で、どの分野の投資機会が魅力的なのか、流れなのかが少しずつ見えてきます。それが、結果として国内投資の目利きにも生きてくることもあります。

海外投資を通じて、海外ビシネスに触れることで純粋な投資以外の仕事、本業にもプラスになることは間違いないでしょう。自らの付加価値を高めることにも役立ちます。

世界のトレンド

IT技術の進化によって、世界中からタイムリーな情報取得が容易になり、その非対称性も昔に比べれば、格段に少なくなりました。フィンテックのサービスをはじめとして、オンライン海外送金(その遠隔管理)や電子契約(電子署名)が浸透してきたことも、海外投資の追い風になっています。

参入障壁が下がれば、世界中の人々が個人レベルで、他国の魅力的な投資機会に投資するようになります。国によっては、法律等の制約が障害になるケース(自国民が有利になっているケース)もありますが、大きな流れとして益々オープンになっていくことは、世界のトレンドとして変わらないと考えられます。そのトレンドに乗るかどうか、真剣に検討しなければいけない時期が、刻一刻と迫っていると言えるでしょう。


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