専門家が語る、投資する国は何度も訪れたいと思える国であるべきか

理想的には、そうあるべきでしょう。海外投資には熱量が大切です。

いくら投資リターンが魅力的でも、それ以外の点で一定以上の興味や関心が持てないと、自分に馴染まない国の事業や資産に投資をし続けるのは、気持ちの面でしんどいことになります。実務的にも、投資機会の深堀りを怠るようになるかもしれませんし、管理も目も届きにくくなるでしょう。

必ずしも、旅行で何度も訪れたいと思うような場所でなくても良いのですが、少なくともビジネスでの渡航機会も含めて、心地よいと思える国や地域であることが望ましいでしょう。心地よいかどうかの尺度は、人それぞれです。先進国かもしれませんし、新興国かもしれません。

いずれにしても、訪れたいと思う国や地域であれば、ビジネスとプライベートの両方での接点が増えることから、より強い想いを持って推進することができるはずです。ワクワク感があるか、ないかでは全く見える景色が違うでしょう。

馴染みのある国

既に海外投資の方針が決まっている場合もあれば、手探り状態から検討をはじめる場合もあるでしょう。投資対象国に迷いがあるなら、まずは過去に何らかの接点がある、あった国から手を付けるのが、精神的にも安心です。

例えば、対象国を旅行やビジネス出張で訪れたことがあったり(もしくは訪れようと計画を立てていたり)、過去に居住していた経験があれば、その国のイメージを容易に持つことができます。その国の歴史を勉強したことがあったり、文化や産業に興味がある場合でも十分です。その国の製品・ブランドが好きということもあるでしょう。

ゼロの状態から始めることは、長続きせず途中で関心を失ってしまう可能性があるので、あまりお勧めしません。

渡航の頻度と必要性

前述の通り、何度も訪れたい場所か、という想いは大切ですが、実際に頻繁に訪れなければならないということではありません。オンラインのリモート手続きで、大抵のことはできてしましますし、投資対象国の現地に協力者がいることがほとんどでしょうから、遠隔で完結できるケースもあります。

そういう意味では、国によっての物理的な距離の違いに神経質になりすぎる必要はありません。もちろん、物理的に近ければ、より気軽に自国との間を行き来できます。ただ、一昔前とは違って、遠いからと言って検討から外すというレベルには、もはやなりません。対象国の選択肢はかなり増えているのです。

むしろ、IT等の通信インフラ、金融インフラが整っているか、法律や行政システムの基盤がしっかりしているかどうかの方が重要、という考え方もあるでしょう。


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