専門家が語る、投資機会を求めて東京進出か、海外進出か

投資マネーは、基本的に世界の第一級都市、各国の第一都市に集まりやすい傾向にあります。お金が集まりやすければ、それを背景に投資機会が増えるというのが自然な流れです。国内の投資機会を見てみると、東京が圧倒的に数が多く、多種多様です。

しかしながら、東京の投資機会が投資として相対的に魅力的かというと、個別案件ベースでは必ずしもそうではないでしょう。主要な地方都市にも、条件の良い投資機会は沢山ありますし、分野によっては物理的な所在が投資対象物・事業に影響をほとんど及ぼさないものもあります。

そのように考えると、新しい投資機会を求めて、東京をターゲットにするというのは一つの有力な選択肢ではあるものの、絶対ではないと言えるでしょう。しかも、その他の場所の選択肢には、国内だけでなく、海外の主要都市も入ってくるのです。海外では、その国の第一都市であっても、東京よりも投資条件(リスクと期待リターンのバランス)の良い都市は少なくありません。

需給関係と競争

需給それぞれの総量という意味では、東京のような都市は突出しています。ただ、投資機会そのものが沢山あっても、その投資条件が魅力的かどうかは別問題です。需要に対して供給が少なければ、投資家にとっても競争環境が激しくなり、投資条件が悪化していきます。

リスクと期待リターンのバランスがある程度まで取れているうちは良いのですが、競争が激しくなりすぎると、リスクのわりには期待リターンが低すぎたり、表面上の期待リターンを確保するために、リスクが高すぎる投資機会に前のめりで突っ込んでいく危険性が高まります。

世界を見渡せば、その時々で景気がいい国、悪い国があるものです。一般的に、景気は循環していくものですから、投資の競争環境が激しい時期もあれば、緩くなる時期もあります。為替動向も注視しながら、世界の投資機会を見ていくと、今がチャンスと思えるものが出てきます。

一箇所だけを見ていると、外部環境が悪い時に身動きが取りにくくなりますが、複数箇所を同時に見ていれば、投資実行にしても、回収にしても、柔軟に対応しやすくなるでしょう。

ユニークな強み

海外投資という選択肢を持っているだけで、ユニークな強みの一つになり得ます。海外投資といっても、国・投資分野の組み合わせは様々ですし、投資ポートフォリオの観点で、全体的に競合する投資家が現れることは稀でしょう。

投資家としてユニークであることは、投資機会の探索をする時に役立ちます。取引関係者の目に留まりやすい(記憶されやすい)こともありますし、検討範囲が広ければ、色々な投資機会が舞い込む可能性が高まります。

言語は二の次

言語よりむしろ重要なのは、投資するビジネス(事業・資産)への知見、数字を検証する力となります。また、投資実行、管理における迅速かつ的確な意思決定です。言語が変わっても、投資への基本的な考え方、デューデリジェンスの方法は同様です。交渉の場面においては時間を要することもありますが、文面で記録に残っていきますし、取引関係者の協力が得られれば、言語が致命的な障害になることはほとんどないでしょう。


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