専門家が語る、海外に投資しても、意義がある3つの理由

投資をするなら、国内向け投資をした方が、自国の経済、社会に貢献できるのに、なぜわざわざ海外に投資する必要があるのか、という素朴な疑問を持つ人は多いかもしれません。

もちろん、投資リターンが高い等、経済合理性だけを見ている場合もあるでしょう。ただ、海外だから一概に投資リターンが高いかと言われると、結局は投資対象のリスクとのバランスになるので、そうはなりません。例えば、新興国でも希少な資産への投資機会となれば、日本における投資リターンより低くても不思議ではありません。

投資リターン以外の観点だと、資産分散の一環で海外に投資するというケースもあり得ます。これも経済的な理由の1つと言えます。

では、経済的な理由以外で考えた時に、海外に投資する意義はあるのでしょうか。答えは、ある、と言えます。切り口としては、以下のポイントが参考になるでしょう。

社会・環境問題への貢献

現代社会においては、経済だけでなく、様々な社会的課題や環境問題もグローバル化してきています。一般的に分かりやすいのは、地球温暖化や再生エネルギーの普及をはじめとする環境問題でしょう。

極端な例かもしれませんが、海外の再生エネルギーの投資機会に、投資実行したとします。実際に電気が作られるのは海外で、物理的に消費されるのも海外かもしれません。そういう意味では直接的に自国の電力事情に貢献する訳ではありません。

しかしながら、その投資によって、世界的にはCO2発生の抑制に貢献したことになるはずです。物理的な距離が離れているとは言え、地球はつながっていますし、環境問題の改善に寄与していることには変わらないでしょう。

商品やサービス開発への貢献

今や日常生活や仕事の中で、外国製商品やサービスを使わないことの方が珍しいでしょう。自国の顧客だけをターゲットとせず、はじめからグローバル展開を前提とした事業を立ち上げることも、IT環境が整った現代では昔に比べて格段に容易になりました。

例えば、そのようなグローバル展開している商品やサービスに関連する事業や企業に投資するということは、投資先が海外であろうと、最終的には自国、自分も含めて、その結果の恩恵を受けることになるでしょう。特に、事業シナジーを目的としたジョイントベンチャーのようなケースでは、顕著にそれが表れると考えられます。

投資立国への貢献

投資リターンの大小にかかわらず、自国内だけで投資資金が回っているのと、海外の国、事業から利益を稼得しているのは状況として全く違います。自国内の投資であっても、その投資先が海外からの収益を生み出している場合は、間接的には同様ですが、投資家として直接的にその事業に関与できないケースが多いでしょう。

俯瞰すると、日本は人口が減少している国であって、持続的な自国の経済を支えていくためにも、対外投資を維持していくこと、増やしていくことが、中長期的に重要になることは間違いありません。それに寄与することは、十分に意義があると言えるでしょう。


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