投資の素晴らしい効果の一つとして、他者への貢献があります。投資の意義は、投資家にとっての利益追求だけではないのです。投資であるからには、投資リターンを期待するのは必然ですが、その他の目的は投資家の立場によって多種多様です。
他人の夢を応援したり、社会貢献をするという意味においては、必ずしも自国の投資機会でなくても達成することが可能です。情報入手が難しく、一昔前までは、個人レベルでの海外の投資機会探索、その取引は困難でしたが、現在ではオンラインベースで様々な海外の取引関係者、アドバイザー等に直接アプローチできるようになりました。
海外の投資は、間接的な手法から、より投資先が見える直接的な手法に移ってきています。これは、資金調達を試みる事業者側(ないし資産の売主)にとっても、資金調達の多様化、選択肢を増やすという点で、大きなメリットをもたらします。何より、IT技術の進歩によって、透明性、効率性、実効性が飛躍的に高まったことが大きいでしょう。
リモートワークが徐々に進む社会的背景、デジタルネイティブ世代の割合増加もあって、遠隔でビジネスを行うことへの心理的抵抗感が確実に下がってきています。国内投資との間の垣根が小さくなり、これからますます海外への投資活動が増えていくことが見込まれています。
新しい価値の創造
新しい価値の創造に国境はありません。例えば、先進的な日本企業は、積極的に海外のスタートアップへの投資を行なっていますし、他の国籍の企業も同様です。どこの国でそのサービスが生まれたかではなく、どのような製品・サービスが生まれたかの方が、興味が沸くのではないでしょうか。
直接的にその製品・サービスの恩恵を受けることがなくても、投資リターンに加えて、新しい価値の創造のために資金支援したという満足感を得ることができるに違いありません。そう思うと、Win-Winの状態になる、他人の夢を応援することの意義は大きいと考えられます。
社会的価値の貢献
仮に、全く新しい価値の創造になっていなかったとしても、海外投資において社会的価値としての貢献機会は多くあります。例えば、再生可能エネルギーの発電ビジネスへの投資などです。決して目新しいものではありませんが、国や地域、社会に貢献していることは言うまでもないでしょう。
SDGsをはじめとするビジネスを手がける事業者やプロジェクトを、資金面で応援することは、それが国内のものであろうと、海外のものであろうと関係なく、意義深いものです。全世界に投資機会のターゲットを広げれば、選択肢も格段に増えることになりますし、魅力的な機会に出会う確率も上がるはずです。
知見・ノウハウの蓄積
最後に、海外投資を通じて、新しい知見やノウハウを習得することの意味は大きいでしょう。海外では、文化や慣習、価値観が異なるので、ビジネスの観点で想像もしなかったアイディアに出会える場合があります。投資という手法で応援しながら、投資リターン以上の知識と経験を得られるのです。
投資ビジネス以外の本業があるなら、事業シナジーの可能性を検討するのも良いでしょう。これは結果的に、その投資先にもメリットがあるかもしれません。Win-Winの状態で、双方が金銭以上の恩恵を受けることができれば、理想的な投資機会となります。