様々なビジネスに共通することでもありますが、海外投資を進めていく上で、特に気をつけるべき心構えをいくつか例示したいと思います。当たり前のことでも、日頃から意識していないとなかなか実践しきらないものです。
海外投資での成功を勝ち取るためには、小さな失敗を恐れてはなりません。国内とは事情、環境が異なるので、小さな失敗はつきものです。致命的な失敗さえ避けることができれば、再起不能なダメージさえ負わなければ、投資活動での成長過程、学びを経て、成功に近づいていくでしょう。
そして、その成長に必要な習慣を身につけておくことが、肝要になります。それができていないと、成長せずにいつまで経っても同じような失敗を繰り返し、いずれ致命傷となるような失敗に直面してしまうでしょう。初っ端で大きくつまずくと、次に魅力的な投資機会が出てきても、戦意喪失して、せっかくのチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
同じ失敗を絶対に避ける
たとえ小さなことであっても、同じ失敗は避けなければなりません。その小さな事象が場合によっては、大きな問題に発展しかねないからです。例えば、投資管理の面で、物理的な資産のメンテナンスを怠ったり、目先の支出を避けるために、必要な補修のタイミングを先送りしたりすることが考えられます。
先送りしたことによって、後々により大掛かりな補修が必要になり、多額の負担が発生することがあります。その事が起こってからでは手遅れで、それによって期待リターンが得られないどころか、損失を被ってしまっては余りにも悲惨です。
このような失敗の場合は、目先の必要な支出をケチらないということが教訓になるでしょう。大抵のトラブルは、問題発生初期の初動が遅かったり、支出を理由に問題を先送りすることから、発生するケースが多いと言えます。問題が大きくなる前に、段取りを組んで、適切なタイミングでトラブルシューティングをしっかりしていれば、致命傷は避けられるはずです。
できる限り定量的に理解する
はじめから定量的なデータになっているものは、そこに自然に注意が行きますし、損益の数字、損益に直結する数字となれば、投資家として定期的なチェックを怠ることは少ないかもしれません。
一方で、定性的な事象は、一定の基準や経験がないと、そのリスクや対処のタイミング、方法を見誤る可能性があります。マイルストーンとなる事柄や、期待リターンを得る上で達成しなければならない目標は、進捗等を可視化するためにも、定量化することが望まれます。
定量化すると、精度はともかく、一定の判断基準が醸成されます。それを活用しながら意思決定をしていくことで、判断の振れ幅を抑えることができます。もし、定性的なものをそのままにしておくと、問題に気づかずに判断のタイミングが遅れたり、感情的な意思決定を下してしまうことにもなりかねないのです。
一旦は自分で調べる
時には煩わしいことが出てくる海外投資ですが、その煩わしい課題や問題をまずは自分で調べて、理解しようとするかどうかの姿勢が大切です。誰かに任せるのは簡単ですが、思考が止まって、物事や問題の本質を見失うと、誤った判断をしてしまうからです。
海外投資では、型にはまったやり方がないケースが少なくありません。総論では答えがあっても、個別の戦術になると、絶対的な正解が見えないこともしばしばです。そんな時に、自ら調べて考える力を養っておかないと、いつまでたっても他力本願でいいようにやり込められてしまうでしょう。