専門家が語る、海外投資にベストなタイミングはあるのか

その投資がベストなタイミングだったかどうかは、時間が経過してから分かるというのが真実と言ったところでしょうか。過去のトレンドから、未来を予測して、当たることもあれば外れることもあります。

平時なら推測可能なことでも、突発的な事象が発生し、経済や政治に甚大な影響が出ることで、全く異なる結果を迎えることも珍しくありません。自国では何も起きていなくても、グローバル経済に左右されることもあるでしょう。

ただ、ベストなタイミングを予測することが難しい一方で、ワーストのタイミングを避けることは可能です。どのような前提や条件で、投資実行できたかによって結果はある程度の範囲で見えてきます。その意味では最初が肝心なのです。例えば、経済環境が最悪でも、割安水準で投資ができれば、中長期では利益が出るといった具合です。

基本的には、思い立ったが吉日と言えますが、ワーストのタイミングを避けるために、以下のポイントを意識しておくと良いでしょう。

最高値更新が続く取引水準

投資対象にも拠りますが、その業界の取引価格の水準が、過去の最高値を更新し続けている時は注意が必要です。短期的には含み益が出る可能性はあるものの、事業投資の場合は中長期投資になるケースが多く、流動性もそれほど高くありません。

マーケットには必ずサイクルがあります。取引水準が下降調整局面に変化した時に、流動性の低いものを急いで売却、処分しようとすると、足元を見られて更に損失が膨らむ、塩漬け期間が長引くという悪循環になりかねません。

マクロ経済が右肩上がりで上昇し続けている新興国の場合は、例外的なケースもありますが、それでも慎重に検討した方が良いでしょう。

為替水準とその動向

海外に投資した資金を、ある程度決まった一定期間後に自国通貨に戻すことを前提としている場合は、為替動向に留意しなければなりません。自国通貨が日本円ならば、投資対象の通貨に対して、円安水準にあるタイミングです。

一方で、投資対象の国での再投資を前提としている場合や、比較的短期ないし超長期の投資の場合には、為替動向に神経質になり過ぎるよりは、その投資自体が期待する利益を生むかどうかに、より焦点を当てるのが望ましいでしょう。

為替は上る時もあれば、下がる時もあり、自国通貨に戻す時間軸に柔軟性があれば、実際に大きな為替差損を被るリスクを下げることができます。但し、会計上は時価評価しなければならない場合もあるので、その点は注意が必要です。

キャッシュフローの余裕度

投資対象からの恒常的なキャッシュインフローがなく、最終的に一括で資金回収するタイプの投資(例えば、完成次第、資産売却するような場合)では、当該投資の進捗状況によっては、手元のキャッシュが途中で想定外に不足する可能性があります。

最悪の場合、追加出資や貸付に対応することができず、当該投資を悪い条件で売却、処分し、資金化しなければならない状況に追い込まれるかもしれません。このような事態をさけるためにも、手元資金にある程度の余裕を残せる(不測の事態が起きても、資金ショートの懸念が小さい)タイミングで、投資の意思決定をするのが望ましいと言えます。


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