海外投資を実践するためには、沢山の準備と経験が必要なのではないかと、心理的に構えてしまうかもしれませんが、大事なことは少しの想像力と、遂行するための決断力です。
自ら、完全にカスタムメイドで、投資ストラクチャーを構築しようとすると、確かに経験と創造力が必要になります。ただ、ある程度標準化された投資方法、投資対象であれば、卓越した想像力は必要ありません。
むしろ、投資の目的、それに沿って柔軟に意思決定できる決断力の方が、海外投資を成功させるための肝になるでしょう。想像力が働きすぎて、色々な投資機会に目移りしてしまったり、各種リスクに過敏になりすぎてしまうのは避けたいものです。
想像力以外はアウトソース可能
投資の目的に沿って、こういう投資機会に投資したい、と想像力を膨らませることは、その個別投資家の個性につながります。投資対象が何であっても良くて、機械的に利益追求する投資も悪くはありませんが、せっかく自己資金を投入する訳ですから、意義や納得感のあるものが望ましいでしょう。
想像力の必要がない投資を実行するための各種手続は、極論すると全てをアウトソースできると言っても過言ではないでしょう。もちろん、多少のコストはかかりますが、投資の目的が達成され、各種コストを考慮した上で、満足できる水準の期待リターンを確保できるのであれば、アウトソースしてしまった方が身軽ですし、煩わしい作業をしなくて良いので、投資家としては快適かもしれません。
少しの想像力を働かせるために、時間と集中力を温存しておく方が賢いとも言えます。
お金を働かせる
投資家としては、付加価値の少ない作業に追われることなく、お金を働かせ、お金がお金を生み出す安定した仕組みを作り出したいものです。企業経営にも通ずるところがあると考えられますが、多くの選択肢がある中で、どのように取捨選択をするか、是非の意思決定を的確なタイミングで行えるかどうかの方が、投資家として結果を出すには重要になるでしょう。
つまり、ある程度標準化された投資方法、投資対象に資金投下することを前提として、仕組み自体のリスクが許容範囲に収まることを考えると、あとは的確なタイミングで思い切って決められるかどうかの決断力が、他の要素よりも相対的に大切になるのです。
無理に欲張りすぎない
海外投資においては、目先の利益に焦点を当てすぎたり、期待以上に欲張りすぎるのは、避ける方が無難です。国内投資でも同様ですが、完璧な投資機会や、全てが上手い話に聞こえる投資機会には、裏があることが珍しくありません。
欲につられて、初めからきわどい投資機会を狙っていくよりは、まずは比較的堅実な投資機会への投資からスタートして、投資規模の拡大に伴って、ポートフォリオの一部として、リスクの高い(期待リターンも高い)投資機会にも資金を振り向けていくのが、海外投資の場合の手順として、手堅いと考えられます。そして、それを実現するには、少しの想像力と決断力で十分なのです。