千載一遇のチャンスが目の前にあっても、最後まで決断できなかったことはないでしょうか。せっかくの投資機会でも、タイミングが合わなければ、失敗してしまいますし、様子見している間に、そのチャンスが無情にも通り過ぎてしまうこともしばしばです。
後から、あの時に投資しておけば良かったと思っても、時すでに遅しなのです。優柔不断な性格で決めきれない時があるかもしれませんし、周囲の意見に影響されて、本当は良い投資機会だと思っていても、見送ってしまうことがあるかもしれません。
最終的に、投資の意思決定を行うのは、経済的なリスクを負っている投資家自身です。意思決定に必要な情報を十分に集めた上で、自分を信じて投資判断を行うことが大切です。当事者以外には、様々な思惑や考え方がありますし、経済的なリスク等を負っていない場合には、言葉の重みも違うでしょう。
意見を聞きすぎる
難しい意思決定や、新しいことを始めようとする時には、ポジティブな意見だけでなく、必ずと言って反対意見がつきものです。それが経験に裏打ちされた確かなアドバイスであれば、真摯に受け止める必要がありますが、専門領域外からくる意見には思い込みやイメージの部分が少なからずあることを認識しておくべきです。特定領域におけるビジネスのプロでも、投資については不慣れかもしれないからです。
多種多様な意見に翻弄されると判断を誤ったり、意思決定すべきタイミングにそれができずに、魅力的な投資機会を逃してしまいます。意見をするそれぞれの立場には、それぞれの利害関係や思惑があるはずです。それらの複合的な要素を考慮して、取り入れるものと取り入れないものを選別する必要があるのです。
心配しすぎる債権者
海外投資の中身そのものがどうか(それを正確に理解しているかどうか)というよりも、漠然とした不安から債権者として、リスクの高そうなものに投資してほしくない、それに制約をかけたいという動きが発生することがあります。
投資家や企業家が、海外ビジネスへの投資に魅力を感じ、その展望を描いたとしても、債権者がそれにブレーキをかけてしまうケースは、とても残念に映るものです。もちろん、債権者が親身に寄り添って、綿密に検討した結果、引き止める場合は仕方がない面もありますが、勝手な想像と保守的な姿勢が前に出過ぎて、成長の芽を摘んでしまうのは勿体ないとしか言いようがありません。
決断が半歩遅い
投資機会の検討の方向が間違っていなくても、最終判断までの時間がかかる、些細なことでも即決できない。一度や二度であればまだしも、これが恒常的になる(と思われる)と、投資家としてのチャンスが、どんどん失われていくことにもなりかねません。
なぜなら、投資やビジネスにおいては、一つ一つの意思決定が次の戦術、具体的なアクションに繋がっているためです。後手後手に回ってしまうと、本来ならば普通に結果が出ることでも、自ら悪い方向に進めてしまうことになるでしょう。共同投資家や取引関係者としては、そのような投資家とは、付き合い辛いものです。