国内投資であろうが、海外投資であろうが、投資である限りは利益が出る時と、損失を被る時があります。百戦百勝を目指したいところですが、現実的にはなかなかそうは行きません。
潜在的な利益も含め、利益が出ている場合は、極端に言えばほっぽらかしの状態になっていても、大きな問題は起きないでしょう。また、精神的にも大きく構えていることができ、正常な心理状態で、様々な意思決定ができます。
一方で、悩みを抱えて色々な対処をし始める、対応方法を考え始めるのは、太宗の場合、損失が具体的に顕在化した時、もしくは損益に影響を及ぼす、何らかの重大な事象が発生した時ではないでしょうか。
損失懸念に直面しないと、重い腰が上がらないこともあるでしょう。現実に起こっていることに蓋をして、目をそらすことは簡単ですが、海外投資の場合、放置しても事態が自然に好転することは、ほとんどないと考えて間違いないでしょう。
むしろ、空中分解して手のつけようがなくなるリスクを孕んでいます。遠隔でほとんどの対処ができても、協力してきてくれた取引関係者との連携に綻びが出てきてしまうと、思うように物事が進まなくなります。
後手後手に回ると、悪循環から精神的にもしんどくなるので、損失を避けられない状況の場合は、解決に直結する根本的な施策、思い切った早め早めの判断が望まれます。様子見は一時的には心地よいものですが、判断が遅れれば、致命的な損失にもなりかねません。
集中力の維持
経済的損失の観点以外にも、悪い状況を放置しておくと精神的に良くないでしょう。頭の片隅に、いつもネガティブな情報や悩みがあると、どうしてもポジティブな発想が浮かびにくくなりますし、その投資以外のビジネスの判断にも悪影響がでかねません。
苦しい時に、せっかくの良策が見つかっても、いつも通りに集中して、正常な意思決定ができなければ、救われるものも救われなくなってしまうでしょう。割り切って、思い切った対処を始めれば、溜まっていた負担は軽くなるものです。
現金の再利用
状況の悪いところに資金が滞留しているくらいであれば、それを回収して、可能性のある次の投資機会に振り向けた方が、生産的なケースが多いでしょう。もちろん、短期的に回復する見込みがあれば、その限りではありませんが、成功確率の低い壮大な挽回策に期待を寄せるのは避けたほうが無難です。
失敗の気付き
損失が出るということは、何らかの判断を誤ったことが原因で、それが一回ではなく、積み重なった結果であることが多いことでしょう。つまり、次の投資機会に生かせる教訓が沢山あるわけです。これは、同じ失敗を繰り返さないためにも極めて重要です。
他方、いくらいい教訓を得ても、損切りにも失敗して、大きなダメージを被り、再起不能になってしまっては意味がありません。小さな失敗は避けようがない時もありますので、許容範囲内に抑え、そこから学ぶだけ学んで、ポートフォリオ全体で持続可能な利益を出し続けられる状態にしていくことが肝要です。