株式のデイトレードのような、日々の取引から利益を得るタイプの投資、その考え方は、海外投資のそれとは随分異なります。海外投資においては、一朝一夕の成果ではなく、投資の目的に沿って、じっくり着実に利益を獲得していく意識が大切です。
持続的な取り組みを実現できる環境を作り出すことで、投資家の利益獲得はもとより、投資の成果としての社会貢献等を、同時かつ継続的に達成することができるでしょう。投資への総合的な満足度が高くなれば、自然と続けられるものです。
焦らずじっくり
海外投資においては、焦りは禁物です。再投資も含め、投資期間が相応に長くなることを前提としている場合がほとんどでしょうから、日々の小さな動きに一喜一憂しても仕方がありません。
投資機会のデューデリジェンスを納得いくまで行い、投資実行したらどっしりと大きく構える心持ちが必要です。不動産のような資産向け投資、貸付としての投資であれば、性質として実現しやすいと言えます。もちろん、重要な意思決定やその局面では、細かな対応に追われることがあるものの、大抵の状況においては焦る事態には陥らないでしょう。
焦ると正常な判断ができない可能性が高まり、時には自分から傷口を広げてしまうことがあります。リスクや損失の許容範囲を決めておき、一時的な浮き沈みには神経質になりすぎないように心がけたいものです。
目先の利益より信条
海外投資に、中長期で持続的に取り組むためには、期待利益の観点だけでなく、投資の目的、信条を大切にすることが望まれます。例えば、SDGsの考え方を一つの信条とすることも考えられます。
信条に則って、目先の利益(その誘惑)に振り回されず、投資活動を継続していくことによって、中長期での安定した期待リターンを実現できる可能性が高まります。期待リターンが得られれば、再投資する意義ができるだけでなく、その信条(投資の目的)の全部ないし一部を達成していることになるはずです。まさに投資の好循環が生まれ、投資する側、投資される側、社会、それぞれが持続的な取り組みを可能にするメリットを享受することができるでしょう。
時間と目利き力の関係
時間をかけて、持続的に海外投資に取り組むことによって、知見の蓄積と共に、目利き力が着実に付いてきます。むしろ、博学であっても、時間をかけて実践的に投資実績を重ねていかなければ、真の目利き力を身に着けることは難しいと言えます。
当然のことですが、目利き力がつけば、投資の成功確率が上がります。成功することで、次の投資機会の推進につながり、持続可能な状況を作ることができるのです。上述した投資の好循環と同様と言えるでしょう。