インターネットを活用すれば、何か疑問が沸いても、初歩的なことなら、簡単な検索で即座に調べることができる世の中になりました。とても便利な一方で、情報の信頼性にも注意を払うことが必要になってきています。
海外投資に関する日本語での情報は、比較的少なく、断片的なものしか取れないことも多いでしょう。英語ではなく、対象国の現地言語で調べないと見つからなかったり、個別に問い合わせてみないと有益な情報に辿り着けないこともしばしばです。
基本的な質問が繰り返される理由はどこにあるのでしょうか。その回答を簡単に見つけられる方法はあるのでしょうか。
類似する視点
海外投資に限らず、投資を検討する際には、まずはマクロ環境の情報収集から始まり、個別投資機会のリスク分析を順々にしていくケースが一般的です。
対象国の経済動向、法律、会計や投資価値の評価方法等、最初に確認するポイントは大抵似たようなものになるはずです。
既に海外投資の経験がある場合には、気にならないレベルになっているかもしれません。他方、はじめて海外の投資機会を検討する時には、ごく自然で簡単な質問でも、回答を見つけることに苦労します。そのため、過度に心配することも沢山あるでしょう。
完璧な回答がない
投資には、不確実性が伴います。
物事には正論はあっても、現実的にはそれが実現するかはわかりませんし、様々な要因によって状況が変わります。全てのシナリオを事前に予測して、完璧な回答を得たり、対応策を用意するのは困難です。
総論では合理的な考え方でも、個別の投資機会を詳細に検討していくと、違った形での回答が見えてくることもあるでしょう。似たような質問が尽きないのは、海外投資において、ひとつの確からしい答えを導き出すことが、簡単ではないことの証とも言えます。
複雑で多様なパターン
投資の種類にも拠りますが、投資対象国の法律、会計をはじめとする制度、文化や取引慣習は、自国のそれと比較して異なる点が多いことも珍しくありません。
クロスボーダーの取引では、関係する国の組み合わせや、投資ストラクチャーによって、そのパターン、選択肢は数えきれない程に増えるでしょう。一つの国を突き詰めても、他の国ではその知見と経験が、ほとんど役に立たないことすらあります。
また、投資対象も去ることながら、投資家側のステータス、置かれている状況、リスク許容度によっても、ベストな選択肢が変わります。質問が同じでも、所与の前提条件次第で、回答が多岐にわたる可能性があるのです。