専門家が語る、海外投資の量と質の最適なバランスとは

質の高い投資機会に、沢山投資できるのがベストですが、予算、運用期間、投資実行までの時間的制約等のために、個別性の強い投資機会それぞれを、上手く組み合わせて理想のポートフォリオを構築するのはなかなか難しいものです。

また、全て好条件が揃った投資機会は滅多にありません。もしそのような機会に頻繁に遭遇するようなら、何か特別な前提条件があるか、表面が取り繕われているかを疑わなくてはなりません。

各投資機会の強みと弱みをどのように組み合わせて、ポートフォリオ全体としての質を担保するのか、投資のリスクを許容範囲に抑えながら、リターンを高められるのかがポイントとなります。

質あっての量

投資資金の予算が十分にあったとしても、海外投資においては、まずは質を重視して始めるのが合理的です。予算規模に対して投資金額が小口になりすぎると、その予算を達成するには件数を増やさなければならず、質が良くても手間がかかるのは避けたいと考えてしまうかもしれません。

しかしながら、初めの段階では質を疎かにすると、間口が広がり過ぎてしまい、時間的制約の中、投資実績欲しさに来たものから安易に取り組んでしまうリスクが高まります。

多少の時間と手間がかかっても、まずは投資機会の大小にかかわらず、じっくり検討するのが望ましいでしょう。質があってこそ、量を追いかけられると考えるべきです。

量だけは破滅の元

慣れないうちは量を追いかけ過ぎないように注意が必要です。質もほどほどに、量を追いかけていくと、上手くいくときは大成功しますが、投資したプロジェクトのいくつかがつまずくと、全体としての収拾がつかなくなる恐れが出てきます。

丁寧に対応すれば、解決するものでも、それが遅れると状況の悪化は避けられません。対応できるだけの十分な人的リソース、資金があれば問題ありませんが、そのようなケースは稀かもしれません。

質の高い投資機会を選別する労力と、量を求めて実行したプロジェクトで問題が起きた時に必要な労力を比べると、圧倒的に後者の方が負荷が大きいのです。

目利き力の向上

投資機会を選別するための目利き力をつけるために、どちらが良いかと言われれば、質を追いかける方が懸命です。大きな失敗から学ぶ回数は少なくなるかもしれませんが、一つ一つをきっちり分析し、注意深く検討していくと、それが当たり前の判断基準となって、管理フェーズにおいても、トラブルを未然に防止するのに役立ちます。

量ばかり求めると、どうしても投資機会の扱いが雑になりがちになってしまいます。時には投資の目的にあまり合致しないものにも、目移りしてしまうことでしょう。それでは本末転倒ですし、投資機会の厳選と着実な管理こそが、結果的に投資リターンを最大化をもたらすことでしょう。


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