専門家が語る、海外投資は分散投資か、集中投資か

基本的に、有り余る程の資金力や人材等のリソースがないのであれば、集中投資が望ましいと言えるでしょう。

まず、国内投資も含めた全体の投資ポートフォリオからすると、海外投資は補完的な位置付けになっているケースが多いと思われ、仮に海外投資で集中投資のリスクを負っても、バランスを取れる状態になっていることでしょう。

もちろん、はじめから分散投資を選択することもできますが、以下のポイントを考慮すると、やはりリソース次第と言えます。

コスト倒れのリスク

海外投資には、始めるときも始めた後も、一定の調査や管理コストがかかります。投資対象国が増えれば増えるほど、確認しなければならない事柄(法制度、税制などのデューデリジェンス)が増加するはずですし、投資を実行するためのストラクチャーも複雑になる懸念があります。

投資のために、現地法人の設立を行う場合は、それに関わる管理コスト(会計、監査、納税等)も積み上げると馬鹿になりませんし、人材を配置する場合にはその人件費コストも重くのしかかります。

それらの諸コストを十分吸収できるだけの投資の規模感と、そこからのリターンが期待できれば、分散投資でも問題ありませんが、そのようなケースは稀でしょう。

集中投資ですと、同じ形態で反復的に投資を行う場合に、管理コストに加え、現地訪問のコスト等、追加の出費を最小限に抑えることができ、効率的でしょう。

知見の蓄積と目利き力

同じ国への投資を継続していくと、その国の慣習、法制度、税制度、土地勘に至るまで、様々な知見が蓄積されてきます。リソースを集中できれば、より早い時間軸で多くの深い情報を集めることができます。

検討段階で考慮しなければならないリスクや、マーケット動向を肌感覚で分かるようになってくると、投資機会を選別する時間も早まりますし、魅力的でない投資機会を拾ってしまうことも減るでしょう。

目利き力は一朝一夕には身に付けられませんが、集中投資の戦略はそれを早めることに役立ちます。

効率的な再投資

海外投資は、一度パターンを作ると様々な負荷が軽減されます。対象国において、再投資、反復投資を前提としている場合は、それらの間でリソースの共有をすることも可能となるでしょう。特に、投資ストラクチャーの部分で共有、効率化ができると、追加の投資機会を探索する時に、かなりの部分で煩わしさを取り除くことができます。

また、分散するよりも集中した方が、その投資対象国での実績が早く積み上がるため、その実績が信用され、自然により魅力的な投資機会に遭遇できる確率が高まるでしょう。


海外投資の悩みを早く解決したい

具体的な個別相談をしたい