専門家が語る、海外投資を実践するもっとも簡単な方法とは

海外投資を実践するもっとも簡単な方法は、これから組成される、ないし既に組成された投資機会に相乗りすることです。もちろん、これは各種法令や税制を遵守する投資スキームが前提です。

相乗りの手法であれば、投資スキームの骨格はきっちりと固まっているはずですし、自らがデューデリジェンスする時間や労力を軽減できます。その分、投資リターンは主導する共同投資家と比べて、やや低くなる可能性が高いのですが、浮いた想定手間賃と期待リターンの減少分に大きな差がなければ、計算上は合理的な判断と言えるでしょう。

仮にその投資機会をコントロールできる立ち位置、持分でなかったとしても、その共同投資家から得られる知識、ノウハウは有益ですし、後続する投資機会にも活用できることを考えれば、相乗りする価値は十分にあります。

リスクの取り方とインセンティブ

何事にも言えることかもしれませんが、経験が浅いうちはリスクの取り方には慎重になるのが懸命です。例えば、運転免許を取り立ての人が、いきなり大型の車やスーパーカーを乗りこなそうとして、操縦に苦戦することが想像できるように、初めから大きなリスクを取りに行くと、失敗した時に大事故を避けられません。その意味では、ドライバーズシートには経験豊富で信頼できる共同投資家に乗ってもらい、助手席か後部座席の感覚で相乗りするのが最初としては無難でしょう。

また、複数の共同投資家との間で進める投資機会の場合、経済的なインセンティブが誰にどのように付されているかが極めて重要です。物事が順調に進んでいる場合は、それぞれの共同投資家からも文句が出ることは少なく、期待していたリターンを享受することで、皆が満足していることでしょう。

一方で問題なのは、物事が順調に進まなくなった時です。その時に既に元本回収が進んでいる投資家がいたり、時間を使った方が有利になる立場になる関係者がいると、思うような方向性やスピードで問題解決が行われなくなります。万が一、つまずき始めた時に、主たる共同投資家の経済的インセンティブが、自らの立場に不利に働くことがないように、あらかじめ想定、検証しておくことが大切です。

小さく始めて大きく育てる

リスクの取り方と同様、投資できる予算が十分にあったとしても、まずは小さく始めることが望まれます。海外投資においては、日本人の価値観からは想像しにくい想定外のことが生じる場合も少なくないですし、異文化ならではの気付かないことも沢山出てきます。それに、万が一大失敗したとしても、次の投資への余力を温存できます。

なかなか簡単には行きませんが、成功と小さな失敗を繰り返しながら、投資規模を雪だるま式に増やしていくのが理想的です。小さな失敗から多くを学べば、失敗する確率を段階的に減らしていくことができます。

完全に依存しない

相乗りのマイノリティ投資だったとしても、共同投資家に完全に依存し、投資管理、モニタリングへの監視がおざなりにならないように、気をつけなければなりません。物を言わないサイレント投資家であっても、随時状況を的確に抑えておくことが必要です。

各種リソースや秘匿性を踏まえ、自らだけではそれをやりきることが難しい場合には、第三者の力を借りて定期的にチェックしてもらうこと、状況を客観的な目で精査してもらうことも考えられます。自らが実行した投資ですと、想いが入りすぎて客観的に評価できないこともありますので、その点も留意すると良いでしょう。


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