決断力はどこからくるのか。シンプルに、やり方がわからない等、知識不足から決断できないこともあるでしょう。ただ、その一方で本当に海外投資して大丈夫なのかと漠然とした不安から、優柔不断な状況に陥ってしまうことも考えられます。
投資に不確実性はつきものです。確実に高い投資リターンが得られるものは存在しません。そのようなものがあれば、理論的には誰もが投資することになり、競争によってすぐに投資リターンが下方調整されてしまいます。基本的にはリスクの幅とのバランスなのです。
思い切れない主な理由は、以下の3つのポイントに集約されるのではないでしょうか。
不明瞭な投資目的
まず、軸をぶれないようにすることが重要です。
何のための投資なのかが、目的や投資クライテリアがはっきりしていないと、その投資を実行することの意義について、自分自身が納得することが難しいでしょう。単純に投資リターンを追求するのか、それ以外の社会的意義も含めて総合的に判断するのかといった具合です。
納得できていない状態では、正常な判断ができず、いつまでも迷いが続いてしまいます。反対に、目的と一致している投資機会が目の前に現れば、深く考えすぎずに意思決定ができるはずです。
細かすぎる交渉と検証
色々なことが気になりすぎて、石橋を叩いて壊すような状態になってしまうと、決断するのが困難になるでしょう。
海外投資では、必要以上に慎重になったり、国内投資の尺度で全てを測ろうとして上手く行かず、それ以上前向きな検証が進まなくなってしまうことも考えられます。リスクの肝はしっかりと抑えた上で、柔軟性を持たせられるところは、ある程度の寛容さでスピード感のある対応しましょう。
ありがちなのは、細かくなり過ぎたことによって、時間を浪費し、取引関係者がやる気を害した結果、投資機会自体が流れてしまうという事態です。もちろん、譲れないところは譲るべきではありませんし、必要な検証はしなければなりません。
信頼できる協力者の不在
投資判断をする時は、最終的には自分が決めるにせよ、思わぬ落とし穴に引っかからないように第三者の客観的な意見やアドバイスも参考にしたいところです。信頼できる協力者、取引関係者が存在しないと、何か不測の事態が起きた時に心配なのも良く理解できます。
海外投資の場合は、投資対象が自国にないので、どうしても大部分が遠隔での対応にならざるを得ません。すぐに駆けつけたくても、現実的にそれが難しい時もあリます。そのような不安を払拭するためにも、安心して決断するためにも、信頼できる協力者を見つけ出すことが重要です。