投資管理は、比較的負担の少ない簡単な種類のものであっても、件数が溜まってくると手間がかかって結構面倒なものです。ヒト・モノ・カネ・情報のリソースに恵まれていれば、内製化するのも選択肢ですが、組織化するほどの業務量がないうちは、かえって非効率な資源配分になってしまいます。
かといって、投資管理を軽視はできません。適当に対応していると、せっかく魅力的な投資機会に投資したとしても、大きく花開くことなく、期待していた投資リターンを実現できなくなる懸念があるからです。また、トラブルを未然に防止できるかどうかにも影響します。丁寧な定点観測ができていれば、異変に気付く可能性も高まるでしょう。
では、投資管理に頭を悩ませずに、苦労せずに行うために、丸投げ委託という方法は有効なのでしょうか。
面倒な手間削減
丸投げで管理の手間を削減できるのは、投資機会の選定から、実行までを前線で推進する投資家の立場からすると大変便利でしょう。
数限られた投資プロジェクトの管理に専念するだけの時間的余裕があれば、自らの手で細かく対応していくのも悪くはありません。しかしながら、日々新しい投資機会を探しながら、一方で断続的に管理面での横槍が入ると、管理の対応に忙殺され、本来やるべきことが進まなくなるということにもなりかねません。
人件費の効率化
管理のために固定従業員を抱えるというのも一つの選択肢ではありますが、投資管理においては、繁閑のムラが発生することも、分野によっては珍しくありません。いい意味で投資期間中に何も起こらなければ、人を抱えても暇にしてしまいます。しかし、一度何かが起きれば、四六時中の対応に追われるかもしれません。
これは、投資管理にかかるコストを、固定費としてみておくか、変動費としてみておくかという問題でもあります。費用面のリスクの観点からすれば、機動的なのは変動費として委託してしまう方法でしょう。
管理の均質化
管理のプロフェッショナルに丸投げして任せてしまう方が、一定以上の業務の質を担保できるという面で安心感があります。
もちろん、内部で従業員を抱えて、体制を整える選択肢もありますが、ある程度の規模感がなければ、逆に非効率になりますし、担当する従業員の退職リスクも考慮すると、結果的に手間とコストで高くつく可能性があります。それに、海外投資の場合は、それに対応できる人材を探すこと自体が簡単ではありません。
秘密情報の管理
投資家によっては、その投資情報を他人には知られたくないという場合もあるでしょう。
ただ、自分自身では時間的にも管理しきれない状況の時には、外部委託を検討するしかありません。投資に関する重要な意思決定は、当然自分でするものの、洩らしたくない情報の日常管理は誰かに任せたい場合は、管理のプロフェッショナルにに丸投げしてしまうのが効果的です。