海外投資の場合、困った時に発注先の選定、実際の発注に苦労することが多いかもしれません。そもそも、どうやって探せばいいのか。一見客がまともに取り合ってもらえるのか。実績のある信頼できそうな発注先なのか。十分な人的ネットワークがなければ、最終的には一か八かで決めるしかない、なんて思ってしまうこともあるでしょう。
特にその投資対象国に住んでいないと、物理的に確かめに行くこともなかなか難しいですし、外国人相手となると、商慣習がわからないまま、意思疎通を図ることになるケースも珍しくありません。
そのような不安や悩みを払拭する手段として、間にワンクッション挟んで、一括見積もりを行い、比較検討することが選択肢となるでしょう。
探す手間とコスト
よく知っている国で、その業界に精通してれば、勘所があるでしょうから、効率的に発注先を選定することができますし、選択を誤る可能性も比較的低いでしょう。既に重宝している発注先がいくつかあれば、余程つけ込まれない限り、問題は生じません。
他方、初めての場合や、まだ慣れない時はその選定のやりとりだけで、多大な時間がかかることでしょう。その探す時間をコストに換算すると、馬鹿にならない金額になることと思われます。しかも、実績があり、信頼できる発注先に必ずしも出会えるとは保証されていないのです。
一括見積もり依頼を使うと、探す手間や取りまとめる手間を省くことができます。また、ハズレくじを引く確率を減らすことも可能です。
品質と価格の相場
相場感がない状態で、むやみやたらに発注候補先を当たっても、基準が定まっていないので、高い金額をふっかけられたり、品質の低いサービスを提案されかねません。完全に相手のペースに乗らされてしまうのです。
小さな取引であれば、取り返しもつきますが、その投資の主要な部分を占める大きな取引で失敗すると、後からどう頑張っても挽回できない状況に陥ることさえあります。特に海外投資における現地での各種サービスの相場は、インターネット上の情報だけでは掴みにくいこと、検証しにくいことがあります。そのため、この相場感を持てるかどうかが極めて重要なのです。
その点、一括見積もりをすると、同様のサービスの価格を横並びで比較することができます。品質と価格のバランスを確かめることができますし、明らかに価格設定がおかしい場合にはすぐに気づくことができます。
交渉のサポートと信用補完
一括見積もりを依頼するということは、間に協力者としてのサポーターが入るということでもあります。ただ、前述の通り、実質的なコスト面ではメリットの方が大きいと考えられますし、発注候補先との価格交渉や条件確認をする時に、協力者がいるかどうかは、心理面も含めてプラス面が勝ると言えるでしょう。
また、発注先を決める上で、中立的な立場で存在する協力者がいれば、双方にとっての信用補完にもなります。誰もいないと、話がこじれた時に関係性やコミュニケーションが分断されるリスクがあります。これは投資家にとっては、その投資リターンにも影響を与える一大事となります。できることは自らの力で進めることが重要ですが、様々なトラブルを未然に防ぐという観点で、サポーターの活用もまた大切にしたいものです。