専門家が語る、目の前の投資機会に惚れすぎてはいけない理由

投資機会を探し始めると、次から次に情報が入ってくる場合にしても、なかなか情報が入ってこない場合にしても、本来の投資目的や投資基準はさておき、目の前に出てきた投資機会に注目して、あれこれ考えてしまうものです。

多くの投資先候補が出てきた場合は、その中から厳選していくことで、完璧ではなくても、自らの投資基準により近いものを見つけられる可能性が高まります。一方で、投資先候補がはじめから少ない場合は、注意が必要です。それらの候補を絞り込んだとしても、投資基準からずれてしまっている場合も少なくありません。

そのような状況で、おそらくこれがベストな投資機会だろうと決め込んで、中途半端な納得感で、目の前の投資機会に突っ込んでしまうのは危険です。また、自らの投資基準から少しずれていても、想定外の別の魅力に惚れ込み、本来の目的を忘れて、大きな投資意思決定をすることは避けたいものです。

惚れ込みすぎたり、これしかないと思い込むと、良い面ばかりに目が行ってしまい、悪い面や慎重にならなければならない面のリスクを軽視しがちになります。焦らず、一歩引いて俯瞰すると、本当に投資すべきものなのかが見えてくるでしょう。

投資基準に忠実に

色々な投資機会が目の前に現れると目移りするのは仕方ないことです。その中から的確なものを抽出するために、自らの投資基準をいかに遵守できるかがポイントになります。基準に合わなければ、目の前に現れた投資機会の候補全てを捨てることを、躊躇してはなりません。それを実行するためには、自らの投資基準を考え抜く必要があります。

投資基準の条件に合えば、前向きに検討する。全て合致しなくても、許容範囲を決めておけば、候補をふるいにかける時に、投資目的や定量的な投資条件で判断に迷うことは、ほとんどなくなるでしょう。最終的には、定性的な要因も加味して、総合的に決めることが望まれますが、これだけのプロセスを経れば、十分に絞り込めるはずです。

次の機会は訪れる

経験則的な話になりますが、仮に惚れ込んでしまった投資機会を逃したとしても、遅かれ早かれそれに近い投資機会や、それ以上に条件の良い投資機会が訪れるものです。本当に来るのかと心配になって、安易に目の前の投資機会に妥協したくなる気持ちが起こるかもしれませんが、それに負けてはいけません。

早まって条件に合わない投資機会に資金投下してしまうよりは、待ったとしても、絶好のタイミングで魅力的な条件の投資機会を掴む方が、結果的に満足度だけでなく、時間軸を加味しても、高いリターンを得られることが多いでしょう。

時間的制約と柔軟性

いくら魅力的な投資機会に見えても、投資実行、その回収プロセスにおいて、時間的制約のある投資機会への資金拠出には、慎重になることをおすすめします。時間的制約は、冷静な判断を狂わせることにつながりますし、予定通りに物事が進まないと悪い方向に追い込まれていく危険性が高いからです。

目の前を通り過ぎていく多種多様な投資機会を、柔軟に構えながら、選別していく余裕を持つことができれば、特定の投資機会に固執せずに、本当に投資したい案件に資金を振り向けていくことができるでしょう。


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