投資機会を探索する上で大切なのは、どのような背景、経緯でその機会に辿り着いたか、ということです。間に誰も通さずに、直接的にその投資機会に巡りあえるのが望ましいパターンではありますが、そのようなケースはあまり多くはないでしょう。
大抵の場合は、何らかの形で、仲介するプラットフォームや、仲介者(ブローカー)が介在しているはずです。良くも悪くも、その仲介者がどれだけ投資家の嗜好に合致した投資機会を紹介してくれるかに、投資の成否が左右されると言えます。
仲介者の報酬は、成功報酬の場合が多いため、投資家の利益と自己の利益の優先度合いが見えにくくなることがあります。また、報酬額が取引金額のパーセンテージになっていることも多く、価格が高い方(投資家に不利な方)が、仲介者の報酬が比例して高くなるケースが少なくありません。
一回きりの取引の場合は、後々トラブルが生じた時に、仲介者が煙に巻いて逃げてしまうケースも考えられます。仲介者にとっては追加的な報酬がなければ、違法行為でない限り、対処する経済的なインセンティブがないのです。
そのため、投資家にとっては、投資家の利益のために誠実に対応してくれる仲介者を見つけることが極めて重要なのです。
判断を急かさない
経験則でしかありませんが、結果を出している優秀な仲介者ほど物腰が柔らかく、投資家に無理強いしないものです。中長期的な取引関係を望み、誠実な対応をすることが最終的に、結果につながることを知っているからです。
逆に、投資家に良い絵図だけを見せて、投資させても、いずれトラブルになる可能性があって、自らの評判を下げることになれば、最終的に損をするのは自分だとわかっています。また、優秀な仲介者は自信を持っているので、一人の投資家だけを見ていません。つまり、手持ちの魅力的な投資機会を、特定の投資家だけに押し付けようとする必要がないのです。
一方で、投資判断を必要以上に急かす仲介者は、自らの目先の利益を優先している可能性があり、注意が必要です。その仲介者自身が、自己資金で同じ投資機会に投資しているのであれば、まだ説得力がありますが、そうでなければ別の理由に、動かされていると言えるでしょう。
同業者等の評判が良い
思うより世間は狭い、と考えて良いでしょう。同じ業界、ネットワークの中にいれば、悪い噂はすぐに広まるものです。妬みの場合もあるかもしれませんが、複数箇所から悪い噂が聞こえてくるのなら、それは現実味を帯びてきます。
評判が良い場合は、安心できるでしょう。仲介者と投資家の人間的な相性もあるでしょうから、確実なことは言えませんが、良い噂がなくても、悪い噂がなければ、可もなく不可もなくということですし、それほど深刻になる必要はありません。
中長期の取引関係者からの紹介
既に中長期的な取引関係があって、その継続的な関係が良好な先から紹介された仲介者であれば、それは一つの安心材料となるでしょう。特に、その仲介者との新たな取引が、その取引関係者との既存取引にも影響を及ぼすような場合はなおさらです。
紹介する側が、より責任を感じるパターン、紹介した結果、自らの経済的利益に(悪い意味で)影響を及ぼす可能性がある場合は、信頼できない他者を紹介することはないはずです。ビジネスである限り、メリット、デメリットを考えて行動するのが普通です。