全てのケースにおいて一概には言えませんが、いくつかの典型的な特徴を持つ投資機会は、時間をかけて検討しても、上手くいかなかったり、非効率になってしまう可能性が高くなるでしょう。
限られた時間軸で、最終的により魅力的な投資機会をしっかりと掴むためには、沢山の投資機会の中から、効率的に比較検討し、選別することが大切です。つまり、全ての投資機会を均一に見ていく時間はないのです。
様々な独自の検討尺度はあると思われますが、以下ポイントを抑えておくと、投資機会の選別の過程で役に立つでしょう。
投資機会の鮮度
まずは、その投資機会がどれくらいの期間、マーケットに出回っているかという点です。短ければ短いほど良いというわけではないですが、長らく出回っている投資機会や放置されてるものには注意が必要です。
理由はシンプルで、表面化していなくても、何らかの問題や重要な不確定要素を抱えている可能性が高いためです。様々な投資家が手を付けなかった(と思われる)ものには、特別な理由や自信がなければ、避けるのが得策でしょう。
もちろん、投資機会自体には問題がないこともありますが、その場合は価格が正当な評価と釣り合っていない懸念があります。投資ですから、高値掴みしてしまっては元の子もありませんし、流動性にも十分留意しなければなりません。
情報の正確性
次に、気をつけておくポイントは情報の正確性です。投資機会の情報が断続的に出てくることは良くあるので、その点は通常心配はありませんが、正確性にかける時、複数の資料で情報が一致していない、あるいは矛盾している時、前提条件が頻繁に変わる時は注意が必要です。
売主側(又は出資を受ける先)の情報の出し方に問題があるか、仲介者がいる場合はその仲介者自身が、そもそも上手く情報を入手できていない懸念があります。複数の仲介者が存在する時は、情報の整合性が取れていないケースもあるでしょう。
不正確な情報に翻弄されると、決まるものも決まらなくなってしまいます。
代替投資機会の有無
これは仲介者が存在する場合ですが、比較検討可能な代替投資機会を提供されず、特定の投資機会だけを強く推してくる時には注意が必要かもしれません。もちろん、その仲介者との間で過去に取引実績がある時等は、状況は異なります。
仲介者にとって、その投資機会を推進したいインセンティブ(主に経済的インセンティブ)が強すぎるケースでは、本来の顧客である投資家の利益を損ねかねないことも、頭の片隅に入れておきましょう。