築き上げた人脈を頼って、アナログに海外投資の情報を都度収集していくのが、従来からの方法であり、第一に考えられる有効な手段となります。これに加えて、SNS(LinkedIn 等)を活用し、より効率的に質の高い情報、信頼性の高い投資機会を集められるかどうかが、今後の重要な鍵となるでしょう。
プライベートだけでなく、ビジネスにおいても、SNSが広く浸透することによって、情報収集が比較的容易になりました。言い方を変えれば、情報が多すぎて、その取捨選択をしなければならない環境でもあります。例えば、投資に関連した企業やサービスのSNSに登録しておけば、その宣伝も含めて、読みきれない山ほどの投資関連情報が毎日のように入ってきます。
SNSの中でも、ビジネスに特化したLinkedInは、海外投資の情報収集のための、最適なオンラインツールの一つと言えるでしょう。匿名ではない点が、ビジネスパーソン、投資家としての信頼性を高められることにつながります。また、海外においてはLinkedInの普及が本邦と比べると進んでいるので、ビジネスの情報交換をするには便利なツールとなります。
投資先企業等へのアクセス
多国籍企業やスタートアップ 等、デジタルマーケティングに敏感な企業や組織は、SNSをビジネスに積極的に活用しているケースが多く、その情報を辿ることで、企業概要やその企業が手掛けているビジネスの概要を簡単に知ることができます。
SNSですから、ウェブサイトと違って、定期的に情報発信していることでしょう。その企業やサービスをお気に入りに登録(フォロー)しておけば、いつの間にか忘れてしまうこともありませんし、大きな出来事があれば、更新記事から知ることができます。
また、企業やサービスだけでなく、それらに所属、関連する人達と直接つながることが可能です。簡単なコミュニケーションを、SNSツールを通じて、気軽に行うことができるのは、取引関係者との距離感を縮める上で、中長期的な良好関係を築く上で、極めて重要なポイントとなります。
相互信頼性の補完
LinkedInやFacebookは匿名ではないので、(申告ベースであったとしても)相互のことを相応に知ることが可能です。複数の人々とつながっていることもあって(複数の人々から見られていることもあって)、特定の人だけに良いように見せようとしても無理が生じます。また、ビジネスで活用している人にとっては、信頼性の問題があるので、基本的に下手な使い方はできません。
その意味では、ビジネス目的のSNSは相互信頼性の補完機能を果たすことになるでしょう。もちろん、そこに展開される情報を鵜呑みにしてはなりませんが、安心材料になることは間違いありません。
ボーダーレスの情報交換
スタート時点で海外人脈がゼロでも、SNSなら企業情報やサービスを検索し、世界中から情報収集をはじめることが可能です。しかも、外国語が不得意でも、基本的に文字ベースになっているので、心配しすぎる必要はありません。投資の目的、嗜好に合致するものをフォローすることで、着実かつ継続的に海外投資関連の情報を入手することができます。
また、ケースバイケースですが、企業やサービスをフォローすることによって、逆に相手(将来の取引関係者)から連絡を受けることもあるでしょう。海外の取引関係者との接点を一つずつでも増やしていけば、時間の経過と共に広い人的ネットワークになりますし、いずれそれが魅力的な投資機会の発掘や、具体的な取引に結びつくことでしょう。